育つぶ 『眠さにはかなわない』
昨晩家に帰ると、嫁から頼まれごとをされた。
明日の朝は、行く前にちびを起こしてバイバイしてね、と。
いいけど、なんで? と聞き返すと、ちびが
「パパとバイバイしたかった〜」
とぐずって、朝が大変だからということだった。
ああ、そういうことね。
たまに出るちびのバイバイしたい。
これまで2〜3回、ある程度の期間、毎朝のように言う。
パパとしては、よく眠っているのを無理やり起こすのは、寝不足にもなるから気がひける。でもそうやって言うと嫁は、ぐずり始めるとホント大変だからお願いと懇願してくる。大きくなるにつれてぐずり方も度が増しているようだ。それでイライラしてしまうくらいなら、起こしてほしいって。まぁ、分かる。
ちびのどういう心境がそうさせてるのかはよくわからない。
しばらく起きてるうちに会えてない、ということでもないから、よく分からない。
でも、そう言われるのは嬉しい気分だ。
そして、翌朝
いつものように出かける数分前に寝室へちびの寝顔を見にいく。
いつもなら、横で添い寝して、ちびを見てるんだけど、耳元で「パパ行ってくるよ」と囁いてみた。
寝息を立てて眠っていたちびがそれに反応する。
顔をムニュムニュとさせて、少し寝返り、薄眼を開ける。
パパだと確認。
でも、すぐにまた目を閉じる。そしてウンウンと何度か頷いて、二度寝に入る。
まだ眠いんだよ、と言いたげなそぶりを見せたので、やはりパパはそれ以上できず、そのまま横で添い寝をする。
いよいよ出ないと問いう時間になったので、もう一度耳元で囁いてみる。
今度は目を開けずにウンウン頷く。
あぁ、眠いんだね。
気温もちょうどいいし。
なので、そのまま寝かせて、寝室を出た。
嫁にウンウン頷いていたよと報告すると、それならちゃんとわかってるから大丈夫だって。これで今日はぐずらないかな。
パパが小さい頃、夜のヒットスタジオが見たくて、睡魔と戦ってたけど、あえなく撃沈して見れないときが続いたことを思い出した。それに似てる。
こどもって、こういうのが面白い。ついつい胸がキュンとしてしまう。